以前こんな記事を書きました。
あれから少しですが時間が経ち、今の地方の様子から感じることを書いていきたいと思います。
本当に1年も経っていないんですが、あの時より、若者向けのショップの状況が悪くなっています。それもかなり。
2018年~2019年という年は、地方の若者向けのショップの撤退が目立ちました。
今は、店舗の中から一部のショップが撤退する、という状況ですが、大型の商業施設そのものが地方から撤退するのは、何年後になるでしょうか。
10年後にはないのではないか?と思います。
1年で本当に思ったよりも撤退のペースが早く進んでいるので、全国展開しているような大きい商業施設、例えばパルコなどは、早めに地方から撤退するかもしれません。
売上の取れる都会だけでやっていこうとするのは当然だからです。
ちなみに、同じ大きい商業施設のイオンやイトーヨーカドーよりも、パルコの方がより厳しさが目立つのは(私の住む場所ではですが)、若い女性がメインターゲットだからではないでしょうか?
イオン、イトーヨーカドーは、家族全員で行ける場所であり、それこそ赤ちゃんからお年寄り向けのものまで揃っています。
しかしパルコは、メンズの階もありますが基本的に若めの女性が買い物に行く所です。
前回の記事でも書いたように、地方から進学や就職で関東に行ったまま戻ってこない若者が多いのが現状です。
パルコのメインターゲットの人口がもろに減っているのです。
何だかんだパルコがあるから東京に行かなくちゃいい服が買えないなんてことはなかったですが、パルコがなくなったらいよいよ服を買いに東京に行かなくちゃならなくなる?
イオン、イトーヨーカドー、ユニクロ、GU、しまむらにも若い女性向けの服はありますが、そういう所にはないちょっといい服を、地方では買えなくなります。
百貨店はさらに年代も上がるし値段も上がる。百貨店で普通に自分のお金で服を買おうとするのは、主に30代くらいからではないでしょうか?
ちょうど10代後半~20代後半の女性が、気軽に地元でユニクロやGUより高い洋服を買えなくなる。
ますます東京に行きたくなります。
通販サイトで買えばいい、という意見に対しては、それこそ安い服なら通販で失敗してもいいけど、ちょっといい服はやはり実物を見て、試着して買いたいと思うのです。
地方の若い女性向けの商業施設について述べてきましたが、つまり、いずれなくなるのはそういう所からであり、洋服も満足に見れないのでは、ますます東京に行く選択をする人が増えるはずです。
そんなことはもうわかっているのですが、ここ1年でさっきから言っているようにペースが早い。
ここで今回の記事のタイトルに触れると、東京から日帰りで行ける場所ならまあ移住まではしなくてもいいけれど、泊まりがけじゃないと東京に行けないような場所に住む若者は、移住を決めるでしょう。
何も洋服に限った話ではないので。
そう、移住を決めるタイミングは進路を考えるタイミング、進学や就職のタイミングです。
すでに30年も地元に住み働いている人が東京に転職、移住することはリスクが高いですが、今18歳で、これから自分がどこに住みたいかを考えた時に、東京を選ぶのは当然の選択です。
若い、可能性のある人材、これから社会を支えていく存在が、東京に行ってしまいます。
20歳前後の若者がいなくなり、中高年や高齢者だけが残り、時間が経つにつれ上の世代からいなくなる。若者がいなければ子供も生まれない。
すると、その地方の県庁所在地から遠い所からまず、廃村になっていきます。
とある県の中の県庁所在地は、日本の中の東京、という風にまずは置き換えて考えることができると思います。
東京に人口が集中するように、規模はともかくとして、職を求めるなどして県庁所在地に人口が集中します。
その先の未来は、正直予測がつきません。
また、名古屋や大阪、京都、福岡など、東京につぐ都市部や観光地の周辺の現状については、私が住んでいないのでわかりません。
しかし、観光地が栄え続けるのも、東京に行かないという選択肢をする若者がたくさんいてこそだと思います。
それくらい、若者が働く場所を選ぶに当たって、すべての環境が東京に揃いすぎています。
東京に住むよりも魅力的だ、と思う何かがあれば、若者はそこに残ります。しかしそれはなんでしょうか。私は単純な地元愛と、自然が好きだから残りましたが。
とにかく、私は今地方に住み続けて、地方の商業施設の衰退をこの目で見ています。
10年前のまだ地方に元気があった時代を知っているからこそ、余計に衰退ぶりがわかります。(バブルの頃は知りません)
地方に残ったり、または都会から地方に移住したりする人は、変わり者ばかりなのではないでしょうか?
自然が好きで、山沿いの県だったら山登りだったり、スキーが好きだからとか、農業に関わりたいとか、東京の人混みで暮らすのはもう嫌だとか。とにかくそこの土地に惚れ込んでいるとか。
今後地方を維持するには、そういう変わり者の、若い人が増えるしかないのかなと思います。