4月から「Steins;Gate 0」のアニメが始まりました。
シュタゲは面白いです。
シュタゲ無印をこの間見ましたが、私が今まで見たアニメのなかで一番完成度高いと思いました(ちゃんと完結してるので)
シュタゲゼロはシュタゲ無印の続編という形ですが、シュタゲ無印が放送されてからだいぶ時間も経っていますし、無印とゼロの関係性がわからない人も多いのではないでしょうか。
シュタゲはループものなので、続編といってもただの続編ではなく、普通に続きとして見たら「??」となる物語だと思います。
だって、「Steins;Gate」は綺麗に終わっていますからね。
そこで、今期アニメ「Steins;Gate 0」は、「Steins;Gate」シリーズにおいてどのような存在なのかを考察し、説明します。
目次
「Steins;Gate」はどう終わったか
2011年に放送されたアニメ「Steins;Gate」。
内容は、2009年に5pb.(現・MAGES.)より発売されたテレビゲームソフトをアニメ化したもの。
このアニメは簡潔に言ってしまえば、「トゥルーエンド」で完結しました。
トゥルーエンドとは、「真実の結末」、「物語として理想的な終わり方」ということ。
以下、大まかな「Steins;Gate」アニメ終盤の内容です。
まゆりを助けるためにβ世界線に移動した岡部は、タイムマシンで未来からやってきた鈴羽に、ラジオ会館で刺されて死ぬ牧瀬紅莉栖を救ってほしいと頼まれ、まゆりらに励まされて一度は引き受ける。
一度目の挑戦で紅莉栖を救うことに失敗し、α世界線で散々まゆりを救うことに失敗してきた岡部は、やはりこの世界線で紅莉栖を救うことは不可能なのだと諦める。
その時鈴羽は岡部の携帯に以前送られてきたムービーメールを見るように言う。
紅莉栖の救出に一度失敗したら見れるようになるそのムービーメールは、未来の岡部から送られてきたものだった。
その内容は、まゆりは死なないが、紅莉栖は死ぬβ世界線において、岡部が観測した過去(血だまりの上に倒れる紅莉栖を目撃したこと)を変えずに、結果を変えれば、まゆりも紅莉栖も死なないシュタインズ・ゲートへの道が開かれる、というものだった。
そのメールを見た岡部は、生きた紅莉栖を血だまりに倒れさせ、過去の岡部に目撃させることで、紅莉栖を救うことに成功した。
これがシュタインズゲートのトゥルーエンドで、2011年に通常放送された内容です。
(23話「境界面上のシュタインズゲート」→24話(最終話)「終わりと始まりのプロローグ」)
23話(β)「境界面上のミッシングリンク」
2015年、「Steins;Gate 0」の制作発表に伴い、「Steins;Gate」がTOKYO MXやニコニコ動画で再放送されました。その時23話の一部シーンを「0」の世界線につながる新作パートに差し替えた、23話(β)「境界面上のミッシングリンク」が事前の予告なしに放送されました。
23話(β)「境界面上のミッシングリンク」は、一度紅莉栖の救出に失敗した岡部が、そのまま本当に諦めてしまう展開となっています。
トゥルーエンドに続く本来の23話「境界面上のシュタインズゲート」と異なっている点は、
・まゆりが岡部をビンタして叱咤しない
・岡部にムービーメールが届いていない
鈴羽もムービーメールには一切触れないので、この世界線では未来の岡部からムービーメールが送信されていないということでしょう。
23話(β)では、紅莉栖を救うことを諦め、夏休みが終わった後、厨二病を卒業し普通の大学生活を送る岡部が描かれて終わります。
当然、最終話の24話には繋がらないので、このルートでは23話で話が完結したということになります。
「Steins;Gate 0」の始まり
さて、2018年4月から放送されているアニメ「Steins;Gate 0」は、23話(β)「境界面上のミッシングリンク」の続きとなる物語です。
紅莉栖を救うことを諦め、長い夏を終えた岡部倫太郎は、まゆりの勧めでメンタルクリニックへ通院する。
紅莉栖を救えなかったことは、岡部の心に深い傷を残していた。
そんなある日、秋葉原で人工知能に関するセミナーが開催され、大学のゼミの関係でその会場を訪れた岡部は、アマデウス(人工知能プログラム)の牧瀬紅莉栖と出会う。
岡部はアマデウスの紅莉栖と会話をするテスターとなり、岡部のスマホを通して紅莉栖とコミュニケーションを取ることが可能になる。
シュタゲゼロのアニメ1~2話の大まかなあらすじです。
現在アニメが放送中で、私自身ゼロは何も知らない状態でアニメを楽しみたいので、あえてゲームのゼロの内容を知らずにこの記事を書いています。
今後の展開が非常に楽しみではありますが、シュタゲゼロの物語が最終的にどんな意味を持つのか、を考えていきます。
Steins;Gateは岡部倫太郎の紆余曲折の物語
Steins;Gateの、岡部倫太郎の物語は、最終的には「Steins;Gate」24話(最終話)「終わりと始まりのプロローグ」に落ち着きます。これがトゥルーエンドだからです。
この場合のトゥルーエンドとは、まゆりと紅莉栖の二人が生きている世界線へ行くということです。
岡部にとっては、二人のうちのどちらかが欠けてしまえば、それが本当の終わりとは言えませんし、そうならないように紆余曲折しているのが、Steins;Gateにおける彼の描かれ方です。
「Steins;Gate 0」は、岡部がトゥルーエンドに至るまでに、必ず通らなければならない道すじの一つです。
β世界線で紅莉栖を救うということは、普通に挑戦しただけでは、まゆりの時と同じように、岡部は何度でも失敗してしまいます。それがその世界線における紅莉栖の運命だからです。
ムービーメールの届かない岡部には、自力でトゥルーエンドに辿り着くための頭脳も、気力もないことは明らかです。
何より、α世界線においてまゆりを救うことにことごとく失敗してきた過程があることが大きいです。
その直後の岡部に、紅莉栖を救うのも同じように頑張れというのはあまりに酷な話です。
23話β「境界面上のミッシングリンク」に行くことが、順番としては先なのです。
一度目は、諦めるしかない。
その諦めた世界線の岡部が、「Steins;Gate 0」の岡部倫太郎です。
しかしそのまま諦めたで終わってしまったら、24話(最終話)「終わりと始まりのプロローグ」の展開へと続くことができません。
アマデウスの紅莉栖とコミュニケーションを取る岡部は、その後、さらなる紆余曲折を経て、過去の自分にムービーメールを送る岡部となる。
そのムービーメールがなければ、紅莉栖を救おうとしている岡部が、シュタインズ・ゲートへ辿り着くことはできません。
トゥルーエンドに辿り着くまでに必ず一度は通っているはずの岡部倫太郎の生き方、それが「Steins;Gate 0」の内容です。
まとめ
平たく言うと、ムービーメールを送ってくる岡部倫太郎の人生なのです。
その岡部の人生なくして、牧瀬紅莉栖を救えるエンドはありえません。
今回はそこをアニメとして描くのですから、面白いに決まっていますし、今現在アニメが面白いです。
あのムービーメールを見た時、非常にゾクゾクしたので、そこを掘り下げてくれるのは嬉しいし、むしろ掘り下げないなんて切ない。そこの岡部の生き方も、ちゃんと描かれるべきだと思います。
今後「Steins;Gate 0」で注目したいのは、岡部がどのようにしてシュタインズ・ゲートの選択の正解へと辿り着いたか、また、厨二病を完全に闇に葬り去ってしまった岡部が、一体どのタイミングで厨二病全開のオーラを復活させるのか。
岡部倫太郎は、厨二病であってこその岡部倫太郎なんですよね。そうじゃない岡部の違和感ときたら。
岡部倫太郎は厨二病の方が魅力的であるみたいな記事も書きたいと思います。