映画『新聞記者』はいい意味で問題作【感想】

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遅ればせながら、映画『新聞記者』を観てきまして、率直な感想を書きたいと思ったので更新します。

 

マスコミ・政治には詳しくないので、直感的に感じたことにはなりますが、ぜひ多くの人が観るべきだと思いました。

 

この映画はフィクションということになっていますが、実際にはモデルとなった人物があり、劇中の事件・問題もほぼ実際に起きたことが元になっています。

 

フィクションという形でこの映画を公開したことで、マスコミが新聞・ニュースで報道できないことを描くことが出来ていて、それだけでも意味があります。

 

その描かれていることが、本当のことなのか?ということについては、あくまで推測ですが、かなり真実に近いのではないかと思います。

 

東京新聞にモデルとなった記者がいて、レイプされた被害者が告発したのに逮捕が揉み消されていて、学園問題で自殺した人がいるのは現実のニュースにもなっている事実。

あとの部分は、それこそ報道したら「誤報」とされて、吉岡の父のように消され?かねないので、映画という形でフィクションということにしたのではないかと思います。

 

そうでなくては、あそこまでリアルにあった事件や人物を絡めて、際どいところまで攻めた内容の作品を公開した意味がない。

物語内で一番衝撃だった問題の部分だけが本当に作り話だとしたら、リアルの関係者が関わってまで訴えた内容の、説得力がなくなってしまいます。

 

なので、今の日本政府だと、こういう問題が起こりうると思っていた方がいいんだろうなと。

そのくらいの疑った姿勢で今の政治を見ていないと、裏で何が進められているかわからないまま、取り返しのつかない事態になりそうです。

 

私は政治に興味はなく、国民の健康が損なわれず、戦争が起きない日本であればいいと思っていますが、それすら危うい可能性があります。

 

大きい金が動けば、国民の健康は二の次になるんだろうなと思います。種子法廃止、遺伝子組み換え問題がそれを証明しています。

すぐに問題は無いから、お金が動くから、やる。何年後に、それを食べてきた私たちの体にどんな影響を与えるのかわからないのに。

 

話がそれましたが、あの映画では、情報操作をする組織の背景についても考えさせられます。

内閣情報調査室の上司が言っていた「この国の政権を安定させる」ことが大事という信念のもと、杉原にあれだけの無茶ぶり、情報調査じゃなくて情報操作を指示しているのを見て、ある意味でこういう背景があるのかもしれないと納得しました。

神経がやっぱりおかしいですよね。正しいか正しくないかじゃなく、政権が安定するかしないかであそこまであらゆるものに非情になれるのは、神経がおかしくないとやってられない。そういう人があの立場に残るんだなと思いました。

そういう会社の仕組みは内調に限った話じゃないですが。だから会社勤めはしんどいです。

 

杉原・吉岡のように、正しいことを明らかにしていっても、決していい方に話が進むのではなく、リアルに現在進行形の問題なので、あのように濁らせて終わるほかないんだな、と思いました。終わった瞬間は首をかしげましたけどね。当然まだストーリーがあると思ったので。でもオチをつけられる問題じゃない。

 

この映画は政府を真っ黒に描いていて、逆に制作側の情報操作なんじゃないか、ととられても仕方ないですが(正直本当に黒いとは思いますけど)、私たち自身が常に「情報操作」されている可能性があることを自覚させてくれるだけでも大きな意味があると思います。

「情報操作」されていることに気付かないまま、日々あらゆる問題を見過ごすことの方が問題です。疑う姿勢を常に持つことが大事です。

 

だから『新聞記者』はいい意味で「問題作」です。ぜひ多くの人がこの映画に注目して、真っ黒な人たちが「情報操作」しづらい世の中になればいいと思います。

 

 

 

 

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