
今回は、ハンターハンターという漫画の、クラピカというキャラクターの性別問題について考察します。
ハンターハンターでネットを巡っていると、必ず見かけるクラピカの性別論争。
作者の冨樫先生は物語には色んなルートがあっていいという考えのようで、あくまで本編ではクラピカの性別が明らかにされておらず、どちらでもいいようになっている。
この記事ではそれをまとめたので、クラピカの性別が気になるという方はぜひ読んでみてください。
原作のクラピカ
初期のクラピカ
1巻のクラピカ初登場シーンは、少年という印象が強いです。
ドキドキ二択クイズのおばあさんも、「猫目の坊や」に見えています。
もしクラピカが女だったら、幼い時ほど少女っぽく見えるはず。 成長前なのだから。
そういう意味では、初期は少年っぽかったのだと思います。 まだクラピカというキャラクターをどういう風にしていくか定まっていなかったのかも。
ヨークシンシティ編のクラピカ
おそらく、原作で最もクラピカの性別を曖昧にさせているのが、 ヨークシンシティ編でのクラピカの変装です。(女装とは言っていない。)
クロロ「鎖野郎が女性だとは思わなかった」
クラピカ「……私がそう言ったか? 見た目に惑わされぬことだな」
車のなかでの二人のやり取り。
冨樫先生って、こういうちょっとしたセリフのやり取りでも読者をものすごく振り回すというか、 深読みさせるのが上手いですよね。 (最近だったら371話のマチとクロロの会話。)
このクラピカのセリフはすごく抽象的で、 明らかに冨樫先生はどちらでも取れるようにしていると思います。
もしもクラピカの男だっていう設定をはっきりさせたいなら、 「私は男だ。」とか言わせて、クロロのセリフをちゃんと否定すれば良いからです。
この抽象的なセリフは、以下の三つの読み方ができます。
①クラピカが男である場合
「私が女だと言ったか? 見た目(女装)に惑わされぬことだ」
②クラピカが女である場合
「私が男だと言ったか? 見た目(男っぽくても女っぽくても)に惑わされぬことだ」
自分は男だとは一言も言っていないだけで、クロロの発言の通り女であるという読み方。
③どちらとも明言していない場合
「私が男だとも女だとも言ったか? 見た目だけで判断するものではない」
個人的には、③だと思います。
そもそも、こんなにわかりづらい時点で、 冨樫先生にはここではっきりさせる気はないでしょう。
物語のなかでのクラピカの立場から考えても、 自分の情報をこういう場面で敵側に明らかにすることは、 クラピカ側には何のメリットもなく、 むしろデメリットしかありません。
幻影旅団の団長になら、性別を明かす事だけでも、 命取りになる可能性があります。
慎重なクラピカなら、このくらい考えていても全然おかしくない。
クロロが性別を間違えるはずがない、という意見も否定できませんが、 この場面はクロロにとって「コーヒーブレイク」の時間であるので、 戯れに口に出しただけの可能性もあります。
クロロの飄々とした態度から、 彼の発言のどこまでが本気なんだかよくわかりませんが、 意外と感じたことをそのまま口に出しているだけだったりするのではないでしょうか。
対してのクラピカは、こんな場面で自分の性別を相手に伝えるわけにはいかないので、 どちらとも取れる発言で返した。 そういう風に読み取れると思います。
クラピカとクロロの関係についてはこちらの記事で考察しているのでご覧下さい。
アニメのクラピカ
旧アニメのクラピカ
主にフジ版の方に触れます。
クラピカ女説が広がったのは、フジ版の影響が大きいと思うからです。
軍艦島のクラピカとレオリオのシーンが象徴的です。
全裸でクラピカの前に現れたレオリオはクラピカにぶん殴られます。
直後にレオリオは「男同士なんだから別にいいじゃねえか」とブツブツ呟きますが、この辺はセリフなのか声優さんのアドリブなのか判断に迷うところです。
どちらにせよ、レオリオには男だと認識されているようです。
ここでもクラピカが完全に女の子として描かれているわけではないし、 ヒロイン不足のハンターのなかで、 ヒロイン的な役回りがクラピカに回ってきた。
原作がまだはっきりさせていないのに、 アニメが先にクラピカの性別を明らかにするはずもありません。
クラピカが女性っぽく描かれているのは、旧アニメのスパイスだと思います。
新アニメのクラピカ
新アニメの方ですが、全部見たところ、 旧アニメほどオリジナルシーンもなく、 クラピカが女性っぽく描かれている所もなかったです。
あくまで原作通りで、雰囲気は若干子供向けで、わかりやすい。
つまり、ハンターハンターのアニメ新旧両方とも、クラピカの性別は明らかにされていません。
フジ版のアニメでは一部クラピカが女性だと思わせる演出があって、 それがファンの間の性別論争に拍車をかけたということてす。
まとめと、冨樫先生の思惑

旧アニメのクラピカ©冨樫義博 1998年
結局、作者側に明らかにする気がなければ、 いくら我々が頭をひねっても答えが出るはずがありません。
個人的な見解では、連載当初は少し中性的な少年、という雰囲気で描いていたが、 連載が進むにつれ、キャラクターに描き慣れ、 冨樫先生の本来の好みである男か女かわからないキャラへとどんどん変貌していったのではないでしょうか。
ヨークシンシティ編が、原作で最もクラピカが少女っぽく描かれていたと思います。
読者からも男なのか女なのか気になるという反応が来て、冨樫先生がそれを面白がり、 ますます性別を曖昧にさせていったのではないでしょうか。
ハンターハンターという物語のなかで、 性別不詳キャラクターはクラピカ以外にもいますが、 どのキャラも性別がストーリーに大きく影響を与えるわけではありません。
クラピカが男であろうと女であろうと、 クラピカの生き方に違いはないはずです。
今後も、クラピカの性別は明らかにされないのではないでしょうか。
その方が、読者は想像しながら作品を読むことができます。
現在は暗黒大陸編に入っていますが、 ここにきて若干成長したクラピカは、身長や、オイト王妃と比較すると真っ直ぐな体のラインからは、 やや男寄りな気がしますが、 あくまで想像するしかできません。
今月29日からの連載再開を待ちたいと思います。